回復コンソール

 「回復コンソール」を使うと、システムファイルの破損などで、Windowsが起動しなくなったときに、コマンド操作で
MBR(Master Boot Record)を修復したり、ハードディスクのエラーをチェックしたりすることができる回復コンソールの起動方法
は、次の2とおり。コンピューターがハードディスクから起動不能でも、インストールCD-ROMから直接起動すれば回復コンソ
ールを利用できる。
 MBRとはHDDの先頭512バイトに記録されたデータで、4つの基本パーティションの情報や、ブートローダーに制御を
移すためのブートストラップ等が記録されている。

1.WindowsのインストールCD-ROMから直接起動する
 ・WindowsXPの場合
  ①「セットアップの開始」画面で「R」キーを押す。

2.ハードディスクに回復コンソールをインストールして実行する
  ①WindowsXPの実行中にインストールCD-ROMをセットする。
  ②スタートメニューの「ファイル名を指定して実行」を開く→「<CD-ROMドライブ>
   \I386\Winnt32.exe/cmdcons」コマンドを実行すると、回復コンソールのファイルがハードディスクにインストール
   される。
  ③次回起動時にはOSの選択メニューで「回復コンソール」を選択できるようになる。

3.回復コンソールの使い方
  回復コンソールを起動したら、修復対象のWindowsを番号で指定して、Administratorアカウントでログオンする。
  ログオンに使用するユーザー名は「Adoministrator」に固定されている。
  WindowsXP Home Editionでは、デフォルトではAdministratorアカウントにパスワードが設定されていないので、
  パスワードを入力する必要はない。
  なお、回復コンソールをフル活用するためには、事前に次の設定をしておく必要があるので注意する。
 ・WindowsXP Professional
  ①管理ツールの「ローカルセキュリティポリシー」を開く。
  ②「セキュリティの設定¥ローカルポリシー¥セキュリティオプション」にある「回復コンソール:すべてのドライブと
   フォルダに、フロッピーのコピーとアクセスを許可する」セキュリティポリシーを「有効」に設定する。
 ・WindowsXP Home Edition
  レジストリーエディターで、次のレジストリ値を編集する。
   HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\WindowsNT\CurrentVersion\Setup\RecoveryConsole
 ・「回復コンソール:全てのドライブとフォルダに、フロッピーのコピーとアクセスを許可する」
   ポリシーを有効にする
   値の名前:SetCommand
   データ型:DWORD
   設定値:1(デフォルト=0)
 ・「回復コンソール:自動管理ログオンを許可する」ポリシーを有効にする
   値の名前:SecurityLevel
   データ型:DWORD
   設定値:1(デフォルト=0)

※「回復コンソール」で使用できるコマンド(一部抜粋)
コマンド 書式 機能
CHKDSK CHKDSK ドライブ名[/P|/r] 指定したドライブのエラーをチェックする。オプションを指定した場合
は不良セクターを自動的に修復し、読み取り可能なデータを退避する。
コマンドプロンプトで実行する「CHKDSK」コマンドとは異なる。
DISABLE DISABLE サービス名(ドライバ名) 指定したサービスやデバイスドライバを無効にする。実行時に表示される
サービスやデバイスドライバの起動種別は必ずメモに記録しておき、修復
を完了したら元の起動種別に戻す。
ENABLE ENABLE サービス名(ドライバ名)
    起動種別
サービスやデバイスドライバの起動種別を指定して、実行できる状態にす
る。
指定できる起動種別は以下の4種類。
・SERVICE_BOOT_START(ブート:システムの起動に必要なもの)

・SERVICE_SYSTEM_START(システム:OSの実行に必要なもの)

・SERVICE_AUTO_START(自動:OSの起動後に自動的に開始さ
 れるもの)
・SERVICE_DEMAND_START(手動:ユーザーやアプリケーションの
 指示によって開始されるもの)
FIXBOOT FIXBOOT ドライブ名 指定したサービスやデバイスドライバを無効にする。実行時に表示される
サービスやデバイスドライバの起動種別は必ず指定したドライブの
パーティションブートセクタを修復する。
FIXMbr FIXMbr デバイス名 指定したハードディスクのマスターブートレコードを修復する。
ハードディスクのデバイス名は、MAPコマンドで確認する。
SET SET 環境変数=[True|False] 環境変数の値を設定する。オプションを指定せずに実行すると、現在の
環境変数の値を表示する。

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